寺田さんが東京で主催する速読セミナーでの内容 を、誌上トレーニングの形で掲載しているのがこの本。講演会では、「目のチューニング」などを参加者と実践しながら、「力まないで呼吸を整える」「姿勢を 正す」「文字を見るのではなく、視野を広げてスライドさせる」など、独自に開発した速読のメソッドが話された。
寺田さんのお話の中でアートにも通 じるのではと感じたのは、「速読により読書の生産性が上がれば、経験知が上がり、さらにスルスルと読めるようになる」ということ。多くの作品を見れば見る ほど経験知が上がり、以前見たときには難解に感じた作品の印象も変わってくるからだ。とはいうものの、アートの場合は一度にたくさんの作品を見ればいいと いうものでもなさそうだ。というのは、美術館を訪れる人の多くは、展示の順路に従い一点一点鑑賞しているが、作品数が多い企画展では時間をかけて見たにも かかわらず、記憶に残っている作品は2、3点という場合も少なくないからだ。そうすると、最初に会場を速読するようにざっと見て全体の文脈や作品の傾向を 大まかに押さえたうえで、気になる作品のもとに戻りそれらをじっくり見る…というのが、アートの速読といえるのではないか。
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